定時に仕事を終えて、1:30頃に仕事から帰宅した。
母が、私が居なかった間のぽんの様子を言葉少なに話す。
もう自力で丸くなれないみたいだから、ケージの外に出したとのこと。
ぽんは毛布やタオルに包まれて、ケージの外に横になっていた。
着の身着たままだったが傍に寄って、ぽんに声をかけた。
ぽんは大きく頭を上げて反応。
「お帰り、待ってたよ」まるでそういっているかの様だった。
それから撫でてと催促するかのように、見えないであろう目をこちらに向けた。
撫でると気持ち良さそうに目を細めた。
明日も仕事なので、今夜は自分の部屋で眠ろうかと思ったけれど、心配だからぽんの傍で寝たいと思った。
取り敢えずお風呂に入る。
ゆっくり温まって出た。
風呂上がり、何の気なしにぽんのところを覗くと、母が座り込んでじっとぽんの様子を伺っている。
「ぽんの呼吸がおかしい」と。
実際、私が覗き込んで見ても、ぽんの呼吸はおかしかった。
人間でいうところの努力呼吸?下顎呼吸?そんな感じの呼吸をしていた。
名前を呼んだがもう反応は無い。
母が「さっきから意識が無い」と言った。
そうしているうちに、ぽんの呼吸は段々弱くなり、止まった。
続いて心臓も止まった。
ちょっとして時計を見たら、2:45。
ぽんの身体は少しずつ温かさを失っていった。
抱き上げたら全身の力が抜けていて、くにゃんとしていた。
きっと、野生動物だから見られたくなかったら気付かないうちに死んでいるだろう、看取られたいと思ったならば待っていてくれるだろうと思って仕事をしていた。
ずっと母がついて看ていたのだけれど、まるで私に看取られたいために調節したかのような、そんな最後の瞬間だったと思う。
ぽんが最後にとても大きく反応してくれたこと、撫でるのを催促するような仕草を見せたこと、そのふたつの態度から、ぽんは幸せだと思ってくれていたのかなと推測した。
とてもいい、お別れの時間だった。
ぽんはリンゴの箱の中で眠っている。
冬だから、1日くらいは家に居てもいいかな。
お別れのときは、箱の中に花をいっぱい入れてあげたいと思った。
それから何だか眠れずに朝を迎えた。
朝、ぽんの死を知った父が、ぽんのところでお経を読んだらしい。
ぽんは眠っているかのように綺麗だったけれど、身体は冷たく硬かった。
もう、昨日の柔らかさは残っていない。
「いってくるね」
いつものように挨拶をして家を出た。
多分最後の挨拶だなと思いながら。
職場では、いろいろな人に話を聞いてもらった。
泣く訳にはいかなかったけれど、聞いてもらえて嬉しい。
みかんを見ればぽんを思い出し、パンを見ればぽんを思い出し。
ふとした瞬間にぽんを思い出す日々が、暫く続くんだろうなと思った。
「ただいま」と撫でると、ひんやりとしたぽんが迎えてくれた。
毛はとても柔らかくて、見ているだけだとまだ静かに呼吸を始めそうな感じ。
ぽんはとっても静かに呼吸をして眠っていたから。。。
弟は朝起きてきて知り、妹も時間の合間を見てぽんを見に来ていたらしい。
ぽんは皆に愛されていたねぇ。
明日は、花を買いに行こうと思う。
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